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電波探知姫(4)

小学生の頃、よく戦艦大和や長門のプラモデルを作りました。船の艦橋の横に、魚を焼く網の様な形が飛び出しており。それが敵を探知する装置、電波探知機でした。水兵のセーラー服の襟の部分も耳の後ろに立て、音を聞き取りやすくするためとも聞いております。日本髪における両耳の横に張り出した「たぼ」も、意中の男性の声のみを聞き分ける探知機の役目を果たすためのものなのでしょうか。ウミガメの上には、須弥山に見立てた浦島子「島子でも小野妹子と同じく、本来は男性ですが」二人とパイナップル。パイナップルは、映画トラトラトラで見たゼロ戦がバンバン飛んでいる下のパイナップル畑で、これから起こる出来事も知らず、収穫に勤しんでいる日系移民の方の、怨念と申せましょうか。ローカルスタンダードが、世界各地で叫ばれ始めた昨今、ローカルすぎる山口で電波探知姫を描いてみました。今にもウミガメが、玉手箱の紐をほどこうとしております。夢は醒めるのでしょうか。再びグローバルスタンダードだなんて冗談ですよね。

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